端午節
陰暦五月五日の端午節は中国で大きな伝統的祝日の一つです。端午節は端五、重五、端陽の名もあり、地方によっては五月節、菖蒲節、夏節とも呼ばれます。端午節の由来について諸説がありますが、最も人口に膾炙するのが屈原に由来するという説です。
戦国時代、楚国の詩人である屈原が楚懐王に追放され、悲愤を胸に石を抱いて汨罗江に飛び込み自殺しました。伝説では、屈原が死んだ後、楚国の庶民はとても悲しみ、江のまわりに屈原を送りに行きます。漁夫たちは船に乗って、江のあちこちを探して、屈原の遺体を見つけようとしていました。ある漁夫は、魚、竜、エビ、蟹が満腹になれば屈原の身体を噛まないようになるだろうと思いから、持ってきたおにぎり卵を江に投げ込みます。ある医者は、竜を酔わせ屈原に害を与えないために、雄黄酒を一缶を江に流し込みました。その後、おにぎりが竜に食べられないように木の葉でご飯を包み、外で彩色の糸で結び粽になりました。今は、木の葉ではなく、葦(よし)の葉で包んでいます。屈原を記念するため、人々は粽を食べ、雄黄酒を飲み、竜船で競いあいます。ほかにも、家の前に蓬(よもぎ)をさし、子供に五色の糸を結ぶなどの習慣があります。
民間信仰では端午の日は悪日で、毒日です。夏になる時期で、病気になりやすく、伝染病も流行りやすくなり、蛇・虫が繁殖し人を噛み害する為、病気や災厄を避けるための習俗行事(薬草採り、雄黄酒を壁やドアや窓へ撒布、菖蒲酒など)が行われてきました。
2008年から端午節は正式に中国国家の法定休日に定められました。