西安・陝西情報 民間風俗

陝西皮影

陝西省には、「漢妃抱娃窓前耍[而女],巧剪桐叶照窓紗,文帝治国安天下,礼楽伝入百姓家」と歌われる伝承などがあり、皮影戯の発祥地であるとも言われ、現在でも回民街など土産物店で大量の皮影が販売されています。文化娯楽の多様化により皮影戯も近年衰退傾向にありますが、渭南の雨田社など保存していこうという動きもあります。『中国文化系列 跟我学漢語』シリーズの『木偶 皮影戯』では、皮影戯の代表として陝西皮影戯を取り上げています。陝西省で現在行われている皮影戯では、東派皮影と西派皮影に分かれます。東派皮影は華県、大茘,澄城県一帯でおこなわれ、シルエットが細かくスマートですらっとした美しさを持ち、細工が細かく鮮やかな皮影で、主として碗碗腔で演じられます。西派皮影は翔、岐山、礼泉、興平、乾県一帯でおこなわれ、シルエットが大きく、力強く、主として弦板腔で演じられます。

1953年に設立された陝西省民間芸術劇院には木偶(あやつり人形劇)・皮影戯関連の民間芸術関連要員が100数名いますが、残念ながら定期的に行われている公演はありません(費用が嵩みますが、芝居を抱えることは可能だそうです。)。ここでの皮影戯は最近盛んになって来ている無形文化財保護の対象である伝統的なものとは異なり、「伝統的な音楽を伴わない」、新しい技法を試みるなど新しい皮影戯と言えます。

これ以外にも、西安高家大院、大唐西市などで皮影戯をを観ることができます。