西安・陝西情報 民間風俗

弦板腔皮影

陝西東派皮影の代表するもので、“弦板腔”を主としていて、多くは歴史、民間の物語から取材しています。節回しは力強く、悲憤慷慨、劇中人物の喜怒哀楽を強く表現するため、こまやかな感情を表現することよりも英雄豪傑の登場する立ち回りに向いていると言われています。現在、ベテランの老芸人はほとんど礼泉県、乾県、興平市等に住んでいます。

主な演目

四名山、断橋、楊竜開弓、擺陪房、馬陵道、困土山、逮蚂蚱、禿子尿床、散花、孫膑坐洞、羅生顕魂、斬楊竜、斉国搬兵、洞房、馬陥淤河、表先祖、斬姚期、桑卜継子、新十勧世人、二十四孝、老来難、漢陽院、苟家灘、八卦陣、韓信算卦、弦板腔曲牌

入手可能なVCD

『四名山 -弦板腔皮影戯精粹-』
『馬陵道 -弦板腔皮影戯全本劇-』
『逮蚂蚱 -弦板腔皮影戯精粹-』
『羅生顕魂 -弦板腔皮影戯精粹-』
『桑卜継子 忠孝賢 -弦板腔皮影戯全本劇-』
『新十勧世人』
『苟家灘 -弦板腔皮影戯精粹-』

礼泉紀村の皮影

2009年5月2日、礼泉の皮影戯を観に出かけた。礼泉は咸陽市にある11の県の一つで、咸陽市の秦都区に接している。狭義の咸陽市は秦都区と渭城区の二つからなり、西側の興平市、11の県で広義の咸陽市が構成される。今回、観にいくことにした皮影戯は、弦板腔皮影戯と呼ばれるもので、興平市・礼 泉県・乾県に流布していて、このあたり全体がもともとは礼泉と呼ばれていたため、礼泉の皮影戯とも呼ばれる。

咸陽市秦都区からタクシーをチャーターして5時過ぎに出発。運転手の昼・夜勤務の入れ替えなどで手間取ったこともあり、目的地の紀村についたのは6時半ぐらいになった。西蘭公路を通って礼泉県の中心である城関鎮に行き、そこから史徳鎮まで南に進み、史徳鎮から南西にいったところが紀村。史徳鎮から紀村までの道は整備されていない田舎道であった。

今回連絡を取った芸人は、胡小妮[女尼]という女性芸人で、彼女の父親・胡永春、劉景、劉建娃など6人の戯班子で演じてくれた。胡小妮 の家に着いた時には、すでに舞台を家の屋根付きの庭に作りはじめていた。八時になり日も完全に暮れると芝居がはじまり、約2時間で公演は終了。

唄い手と皮影操作手が同一人なので、唱が中心になった時には皮影を立てかけて唱に集中できる様に、白布が斜めになっており、皮影を置くことができ る仕組みになっている。演目と芸人は以下の通り。

前手 劉景
司鼓 劉建娃
二弦 胡永春
二胡 胡小妮[女尼]
二胡 晁建華
板胡 晁民堂
客串 白天虎

劇目

1. 唐王征東 (劉景主唱 劉建娃配唱)
2. 十八女拜寿 (胡小妮[女尼]主唱)
3. 禿娃尿床 (白天虎主唱)
4. 逮蚂蚱[虫馬][虫乍] (劉建娃主唱)
5. 十大勧 (劉景主唱)

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